胡蝶蘭の蕾(つぼみ)ができた!きれいに咲かせる5つのポイント
企業での昇進、レストランの開店などビジネスの場面だけでなく、引っ越しや還暦祝いなど、個人のお祝いのギフトとしていただくことも多い胡蝶蘭。きちんとお手入れをすれば、二度咲き、三度咲きと長く楽しめることはご存じでしたか? 胡蝶蘭を上手に咲かせる上で、最も難しいのが「冬越し」。なぜなら、胡蝶蘭の原産地は東南アジアなどの熱帯地域。温暖で多湿な環境を好む胡蝶蘭にとって、日本の冬はとても厳しい環境なのです。 しかし、冬越しを諦める必要はありません。ちょっとした工夫で、きちんと越冬させることができます。 この記事では、胡蝶蘭が花を咲かせるまでの流れをご紹介しながら、蕾を上手に咲かせるために注意すべき5つのポイントと、蕾が枯れてしまう原因をまとめました。胡蝶蘭の花が咲くまで
1花芽が出る胡蝶蘭の上から2枚目の葉のつけ根付近から、緑色の芽が出てきます。これが胡蝶蘭の花芽です。同様の場所から白色の芽のようなものも出てきますが、これは新根(根っこ)です。気温が15℃以下の場合、胡蝶蘭は休眠状態にあるため花芽はあまり伸びません。なお、10℃以下になると枯れてしまうので注意が必要です。 2花芽が長く成長し、蕾ができる
気温が20℃以上になると、花芽が伸び始めます。花芽は最初横に伸びはじめますが、その後上に向かって成長し、花茎になり、その先端に緑色の蕾ができます。その後も花茎は成長を続け、大輪の胡蝶蘭で70〜80cm、小輪のものでも10〜20cmほどの長さになります。 3蕾がふくらむ
胡蝶蘭の蕾が丸く大きくふくらみます。開花までもう少しです。
このとき、蕾が黄ばんだり、しわしわと萎れていたりしたら要注意。以下の「胡蝶蘭の蕾を咲かせるポイント5つ」の条件が守れているかチェックしましょう。 4開花する
胡蝶蘭の花は、3日に1輪ほどのペースで開花し、満開になってから約1〜2週間楽しめると言われています。花が咲き始めてから最後の花が落ちるまでは、なんと3ヶ月。
ただし、胡蝶蘭の置かれる環境や個体差にもよります。以下のポイントに気をつけることで、蕾を枯らさず、できるだけ長く楽しむことができますよ。
胡蝶蘭の蕾を咲かせるポイント5つ
1最も気をつけたい「温度管理」
胡蝶蘭を育てる上で1番気をつけるべきポイントが、「温度」。暖房などを用いて、最低でも15℃以上、できれば20℃前後になるようにしてあげましょう。 また、気をつけたいのが「温度差」。1日を通して温度差が大きくならないよう、リビングなどの場所に置き、夜でも温度が下がらないように注意しましょう。
2空気の乾燥は大敵!「湿度」
胡蝶蘭は東南アジアを中心とした熱帯地域のお花なので、乾燥が苦手です。乾燥すると、せっかくできた蕾が茶色くなって落ちてしまうこともあります。 特に冬の乾燥する季節には、霧吹きを使い、胡蝶蘭の葉の表と裏に向かって、しっかり水を吹きかけてあげましょう。その際、水が蕾にかからないように注意してください。 また、エアコンや扇風機の風が直接当たることも、胡蝶蘭の乾燥の原因につながります。室内で育てる際は、こうした風が当たらない場所を選んで置いてあげましょう。3適度な日当たり
胡蝶蘭は無理して陽に当てる必要はなく、部屋の明かりでも育ちます。レースのカーテン越しなど、直射日光を避けた明るい場所に置きましょう。 なお、直射日光を受けると葉が焼け、白っぽくなったり、黒く焼けて変色してしまうので注意が必要です。4水やりは控えめに
胡蝶蘭の水やりは、1週間〜10日に1回程度にしましょう。胡蝶蘭の植え込み部分を触り、乾いていればコップ1杯(150ml程度)の水をあげる程度で十分です。胡蝶蘭は水によって根腐れを起こしやすい植物なので、水をあげすぎると蕾が枯れてしまうことにもつながります。
もし受け皿に水が溜まっているようであれば、それも捨ててあげましょう。 胡蝶蘭の水やりは、「植え込み部分の苔が乾燥したら、水をあげる」のリズムを守りましょう。
また、室温と近い温度で、午前中の暖かい時間帯に行うのがおすすめです。肥料は与える必要はありません。 詳しい胡蝶蘭の水やりや基本的な育て方はこちら
5葉や蕾を狙う「害虫」に注意
胡蝶蘭を狙う主な害虫に、「カイガラムシ」、「アブラムシ」、「ハダニ」がいます。それぞれの特徴と対処法をご紹介します。 ・カイガラムシ非常に多くの種類がいると言われるカイガラムシ。そのなかでも胡蝶蘭に多く見られるカイガラムシは、大きさ1mm程度の白くフワフワとしたもので、葉と葉の間や、根元に付着しています。また、花びらに付着している場合もあり、黒くシミのような見た目をしています。カイガラムシを見つけたら、歯ブラシや爪楊枝などでこすり取ります。その後、2,000倍に希釈した中性洗剤で株を洗い、最後に冷たすぎない水ですすいであげましょう。 ・アブラムシ
さまざまな植物に付着するアブラムシは、強い繁殖力で胡蝶蘭を弱らせていきます。また、ウイルスなどの病原体を媒介し、病気を運んでくることもあります。アブラムシは非常に繁殖力が強いので、見つけたらすぐに薬剤を塗布して駆除することが大切です。 ・ハダニ
室内で育てている胡蝶蘭で気をつけたいのがハダニ。葉の裏がべたつき、ツヤがなくなり、白斑のようなものが出るのが特徴です。乾燥を好むため、霧吹きなどで葉に水をかけて予防しましょう。防ダニ剤の使用もおすすめです。
蕾が枯れたかも?チェックすべきポイントとその原因
・蕾が茶色い、しわしわしている胡蝶蘭の蕾が茶色(もしくは黄色)く変色している、しわしわとしてしまっているのは蕾が枯れている証拠です。
その原因は「湿度」と「日光」。先ほどご紹介したように、胡蝶蘭は乾燥に非常に弱い植物です。霧吹きなどを使って、しっかりと湿度を上げてあげましょう。 胡蝶蘭の蕾は環境の変化にも弱く、置き場所を変えてしまったり、植え替えを行うと傷んで咲かないこともあります。咲くまではなるべく同じ場所に置くようにするのもいいでしょう。
また、直射日光は葉だけでなく、蕾を枯らす原因にもなります。蕾が枯れてしまったら、湿度は十分か、陽が当たりすぎていないかを再度確認してみましょう。
胡蝶蘭の蕾に関するまとめ
いかがでしたでしょうか?胡蝶蘭はデリケートな植物ですが、きちんとお手入れをすればなんとその寿命は50年以上とも言われています。この記事で取り上げた、「温度管理」、「湿度」、「日当たり」、「水やり」、「害虫」の5つのポイントに注意して、胡蝶蘭のきれいな花を長く楽しみましょう。